CASE STUDY





プライベートブランド(PB)が世間に注目されるようになったのは、流通大手の手掛けるブランドが大きな成功を収めたことが原因と考えられます。その中でも40年以上もの長期間に渡り、プライベートブランドを運営して来たイオンの影響は大変に大きなものがありますので、イオンが運営するブランドの詳細を見てみてみることにしましょう。
~TOPVALU(トップバリュ)の特長~
流通大手のイオングループが手掛けるプライベートブランドがTOPVALU(トップバリュ)です。最高という意味のトップと価値のバリュを組み合わせたブランド名からも分かるように、TOPVALU(トップバリュ)は品質の確かさと価格を抑えた商品を提供することが特徴となっています。
1974年にプライベートブランドを開始した時にはジェーカップのみでしたが、現在では食料品・衣料品・生活家電など幅広い分野に至り、生活全般の品質を向上させるブランドとなりました。さらに、TOPVALU(トップバリュ)では商品数を増やすだけではなく、顧客の要望の多様化に応えるために、複数のブランドを設立して対応することにしています。コンセプトの異なる複数のブランドをTOPVALU(トップバリュ)シリーズとして、イオングループの小売業者に卸販売を行っていますが、現在のようなブランド体系となったのは2014年です。2014年にプライベートブランドの設立40周年となることから、ブランドの全面的な見直しが行われ、TOPVALU(トップバリュ) 共環宣言やTOPVALU(トップバリュ) プレミアムなどをTOPVALU(トップバリュ)・TOPVALU(トップバリュ) セレクト・TOPVALU(トップバリュ) ベストプライスに吸収し、TOPVALU(トップバリュ) グリーンアイと合わせて四つのブランドにまとめられました。
~TOPVALU(トップバリュ)のラインナップ~
確かな品質の商品を低価格で提供するTOPVALU(トップバリュ)はお弁当や一番茶入り緑茶などを販売し、素材・産地・製法にこだわった高品質の商品を揃えるTOPVALU(トップバリュ) セレクトは玄米豚を使用した熟成厚切りロースハムやスーピマコットンの掛け布団カバーなどを販売しています。無駄を省いた低価格な商品を用意したTOPVALU(トップバリュ) ベストプライスではこくと旨みの熟成カレーやほどよい酸味マヨネーズなどを、自然環境に配慮した安全で安心なTOPVALU(トップバリュ) グリーンアイでは冷凍有機野菜や有機栽培バナナを販売するといったラインナップとなっています。各ブランドが他のブランドを競合しないように、コンセプトや価格などを設定していることが分かります。複数のブランドを運営する時は、顧客がそれぞれのブランドの特徴を理解しやすくして、混乱しないようにすることが重要です。
~TOPVALU(トップバリュ)のPB戦略~
このようなブランド内容の刷新が行われたのは、従来のブランド戦略が安さを重点に置いた結果、顧客に要望と乖離してしまったからです。以前は安いだけで顧客の支持を得ることができましたが、現在の顧客は安いことに加えて品質面も重視することとなったので、昔のままのブランド運営では通用しなくなりました。
そこで、顧客の要望に応えるべく、付加価値の高い商品を提供する方針に変更をしています。今までとは違った高品質の商品を投入することで、顧客に対してTOPVALU(トップバリュ)というブランドが変革を行ったことをアピールすることにしたのです。さらに、従来から扱っていた商品についても徹底的に見直しを行って、顧客に満足してもらえるようなブランドへと再生する道を探っています。
イオングループのTOPVALU(トップバリュ)というブランドでさえも、時代と共に変化する顧客にニーズを的確に把握して適応して行かないと、売上げを伸ばしてくことができないのです。長年輝かしい成功を収めて来たTOPVALU(トップバリュ)も、大胆な改革をすることが求められるですから、現在順調に売上げを伸ばしているブランドも、内容を見直して顧客の支持を失わないようにする努力が必要となります。
参考)数字で見るプライベートブランド