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CASE STUDY

セブンイレブンのプライベートブランド|セブンプレミアムのすべて

数多くのプライベートブランド(PB)が販売されるようになりましたが、今最も注目されているプライベートブランドはセブンプレミアと言って良いでしょう。

 

セブンプレミアムとは、2007年からセブン&アイ・ホールディングスが販売開始したプライベートブランドです。食品・飲料、日用品など幅広い品種を取り扱い、味や品質・安全性・お求めになりやすい価格をブランドコンセプトとして運営しています。製造元を明記しないPB商品が多い中で、セブンプレミアムは商品に製造元の記載をすることで、品質面においても顧客が安心して買い物ができるように配慮されています。

 

~セブンプレミアムの特徴~

 

セブンプレミアムの製品は、メーカー商品と同じレベルの品質でありながら価格面で優位に立つ商品を作るために、目標とするメーカー商品に関する徹底した調査を行います。その後、新商品開発を行うパートナー企業を決めることになりますが、過去の実績に関係なくゼロから最適の相手を探すことで妥協のない商品作りを行っています。

 

常に高度な開発技術を持つメーカーと共同で開発・製造を行った結果、2008年の日経優秀製品・サービス賞2008において最優秀賞・日本経済新聞賞を受賞し、さらに高品質の商品を提供するために、より丁寧に製品を作り本格的な味を実現する「セブンプレミアムゴールド」を発売しました。高品質商品のセブンプレミアムゴールドは、顧客からも高い評価を受けましたが、時間を掛けて品質の良い商品を開発するために、商品数が急激に増えることはありません。

 

発売開始当初は9分野50商品程度しかありませんでしたが、2011年度には1500の商品を販売するまでになりました。同業他社と比較すると、比較的遅い時期にプライベートブランドの販売を開始したことになりますが、今では売上げを急速に伸ばすことに成功しています。

 

~セブンプレミアムのラインナップ~

 

セブンプレミアムは手軽に買える価格でありながら品質の確かな「毎日1杯の野菜ジュース」「クロワッサンチョコ塩キャラメル」などの多数の商品を揃えており、ワンランク上の品質の商品を販売するセブンプレミアムゴールドでは「金の直火焼和風ハンバーグ」や「金の食パン」などを、商品数は少ないながらも専門店のような商品を販売しています。金の食パンは、大手パンメーカーの食パンよりも美味しいと評価されている程です。

 

~セブンプレミアムのPB戦略~

 

セブンプレミアムのブランド戦略としては、まず味と品質を重視して商品を購入する顧客に重点を置いていることが挙げられます。今よりも高品質で高価格帯の商品を販売するためには、そのような商品の購入意欲のある顧客に注目するは当然でしょう。特に首都圏に駅前店での売上げには注意を払って高所得者層に購買動向に注目していますが、所得の高い顧客のみにブランドのターゲットを絞ることはありません。ブランドのターゲットを絞り込み過ぎると、他の顧客が離れて行ってしまうからです。

 

そして、地域商品の充実の強化を図り、各地域商圏の個店対応を行う戦略を採っており、特に各地域に根ざした食品分野の強化に力を入れています。食品は地域ごとに嗜好が大きく違いますので、全国均一の商品ばかりを提供する訳に行きません。地域の実情を把握して適切な商品も販売しないと、ブランドの売上げを伸ばすことはできないでしょう。

 

このように、いくつものブランド戦略を実行することで現在のブランドの価値を高め、消費者の支持を得ることが可能となります。いつまでの現状の成功に満足していたのでは、ブランドの将来は危ういと言わざるを得ないでしょう。

 

 

セブンプレミアムの特徴などを見てきましたが、好調なブランドであっても常に改善を行う必要であることを、理解できたのではないでしょうか。