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まず、このmonocoto(モノコト)をもっともっと広く多くの方々に知って頂き、そしてご利用頂き、そのメリットを感じて頂きたいと考えています。
私達もまた、クライアント様のお声を聴かせて頂きながら、MONOCOTO(モノコト)をまだまだブラシュアップさせ、更に喜んで頂ける様なサービスにして行かなくてはならないと思います。
MONOCOTO(モノコト)の事業コンセプトは、「誰かを幸せにする歓びを共に」です。
クライアント様にお喜びを頂く‥‥と云う事は私達にとっては当然の事であると認識をしていますが、私達は、クライアント様の更に先におられるコンシューマーの方々、そのお一人お一人のライフスタイルに思いを馳せながら、コンシューマーの方々にも喜んで頂ける様な商品開発をしたいと考えています。その上でクライアント様のベストパートナーとしての存在意義を高めて行きたいと思います。
そして加えて言うならば、日本と云う国は、モノづくりの国であると考えています。そしてそれを支えているのは、中小零細企業です。
しかし、モノが売れ無く、内需が低迷をしている中、その煽りを一番受け苦しんでおられるのが、一生懸命、コツコツとモノづくりをされている中小零細企業の方々だと云う側面があります。ここが疲弊して行く様では日本としてもどうなのか?と云う危機感を持ちます。
本当に微力ではありますが、このMONOCOTO(モノコト)を進めて行く中で、少しでも国内でモノづくりをされています多くのメーカー様との提携を増やし、モノづくりのお手伝いをして頂き、その方々にも喜んで頂ける様なサービスにして行かなくてはならないと考えています。そして、モノづくりと云う事だけでは無く、デザイン事務所様との提携も増やし、本当の意味でプロダクトデザインの底上げの一助になればとも手前味噌ながら考えている所です。ここを強くして行く事、これはモノづくり日本においても課せられた課題であると思うからです。
クライアント様、コンシューマーの方々、メーカー様、デザイン会社様、日本初のビジネスモデル「MONOCOTO(モノコト)」に関わる全てのステークホルダーの皆様を幸せにする歓びを作り上げる事、これこそが私達の想いであり、成し得なければならないミッションであると考えています。
コシオカ産業株式会社 代表取締役社長 越岡晃司
2015年8月24日(月)

MONOCOTO(モノコト)とは、端的に言うと「モノづくり」における課題解決事業及び開発支援事業です。商品開発と量産を通じて、モノづくりにおけるヒト・モノ・カネ・ジカン・ノウハウなどあらゆるリソースの最適化を実現します。
弊社のMONOCOTO(モノコト)が、お客様から選ばれる理由は大きく2つあります。
①ワンストップによる商品開発
メーカー様は勿論の事、今やGMS様、ホームセンター様、通販会社様など、B2C企業様におかれましても、「モノづくり」は不可避な時代です。しかし‥‥各社様共、従来の業務があり、新商品開発に時間が裂けない‥‥やったとしても、やっつけ仕事になってしまう‥‥この様なお悩みを抱えておられるのではないでしょうか?MONOCOTO(モノコト)は、企画・デザインから量産までワンストップによるスムーズな商品開発を実現しています。
従って、クライアント様は、弊社にご依頼されるだけで、ご担当者様はご自身の通常業務を行って頂く事が可能となります。そして、その中で精度の高い新商品の開発が出来上がってくる‥‥ここがクライアント様に喜んで頂けている理由です。現代のビジネス社会においては、多機能工は当たり前の様に会社から求められ、担当者様お一人お一人がしなくてはならない日常業務は満載です。かと云って、会社としての課題や方向性も実現して行かなければならない‥‥‥「モノづくり」におけるこの様な課題が発生した時、私達のMONOCOTO(モノコト)を利用して頂いていますクライアント様にはメリットを感じて頂いています。
更に、ワンストップですので開発時間の短縮、先行開発費用のサービス、トータル的に見た利益改善、開発投資の削減などもクライアント様には喜んで頂けているのではないか?と考えています。
②デザイン主導の「売れる」商品開発が可能
素材的には、金属、樹脂を使った家庭日用品・住生活雑貨全般‥‥これが私達の開発カテゴリーになります。
これは、創業以来、金属や樹脂加工品を約5000種類生産をして来た実績とそれを可能にする購買先ネットワークを有しているから実現出来る事です。現在においても、開発カテゴリーを増やす為、木製品や布製品と云った素材を扱うメーカーとの提携も適宜進めている所です。「多彩な商品開発」と云う事は、1つのコンセプト、1つのデザインのテイストを以って商品開発が出来る事を意味します。
例えば、コップを開発する場合、ガラスメーカー様に依頼しますと、当然ながら素材はガラス製のモノしか上がって来ません。私達のMONOCOTO(モノコト)では、同じコンセプトとデザインテイストによって、金属製のコップもプラスチック製のコップも開発する事が可能です。更に言えば、横展開をしたい場合、皿もカトラリーも開発したい。この様な時、それぞれのカテゴリーに応じ、それぞれのメーカーに依頼をして開発を進めて行く‥と云う事になりますが、私達のMONOCOTO(モノコト)では上述通り同様に開発する事が出来るのです。
従って、MONOCOTO(モノコト)では、同一商品での異素材展開や多岐に渡るカテゴリー展開も、1つのコンセプトとデザインテイストを以って横串を刺し開発が出来ると云う事になります。現在においては、単品商品を以って爆発的にヒットをする商品を作り上げる事は困難であろうと考えます。面展開やブランド作りなど、こんな事がモノを創り、販売していく上でも必要になっているのかもしれません。これは、既存メーカー様では決して成し得ない事です。
日本、そして世界においても、唯一無二の開発システムを持つMONOCOTO(モノコト)だから実現が可能であると考えています。そこにクライアント様はメリットを感じて頂き、MONOCOTO(モノコト)による商品開発をご利用頂いているのではないでしょうか。
コシオカ産業株式会社 代表取締役社長 越岡晃司
2015年8月21日(金)

MONOCOTO(モノコト)を推進するコシオカ産業は、バネの製造を生業としてスタートをしました。しかも、自動車や家電製品に付随する精密バネでは無く、比較的精密の低い日用品に付随するバネ(洗濯ピンチのリングなど)を手掛け、その後、クライアントのご要望にお応えをする形で、線材加工品、プレス加工品、プラスチック部品、ハンガーフックなど‥‥ありとあらゆる部品を約5000種類OEMとして生産をさせて頂き、高度経済成長の時期も相まって会社としても成長をして参りました。
しかし、バブルが弾けた平成5年頃から、受注が急激に減って来ました。
この原因は、外的要因として、モノの飽和状態、消費の急激な減速、完成品での中国生産‥‥‥これらにより急激に受注が減速して行ったのでした。内的要因としては、どこの会社でも出来る部品の製造を手掛けていた事‥‥‥これに尽きると考えています。要は、会社としての存在意義が希薄であったと云う事だろうと考えます。とは云うものの、急激な売上の落ち込みをカバーしなくてはならず、部品から完成品へ生産を移行する事にしました。
ただ、私達には、完成品を生産するノウハウが無かった為、当時、市場が冷え込む中、日の出の勢いがあった100均市場に入り込む事にしました。何故なら、上記に加え、新興市場と云う事から、既存メーカーは商品の供給を渋っていましたので、私達としてはハードルが低い状況で納入が可能だった為、運よく完成品での供給が出来た訳です。これにより、ひとまず創業事業の落ち込みがカバー出来、会社も安定する事が出来ました。
しかし、事業モデルや将来の展望を考えた時、今のままの事業戦略では成長戦略とは成り得ないモノでした。
と云うのは、まずビジネスモデルは、部品と完成品‥‥又は市場の違いはあるにせよ、「受注生産型のビジネスモデル」と云う事です。そこには、受発注の関係性はあるものの、パートナーシップとしての関係性は存在しません。これも又、会社としての存在意義は希薄であり、それでは創業事業の二の舞になります。加えて、近い将来を考えた時、必ず生産原価は、資源や人件費の高騰により上昇します。100均と云う天が決められた市場にあっては、いずれ利益率が低下して行くのは明らかな事でした。
本格的に成長戦略として、社会貢献が出来、社員達にとってもやり甲斐と誇りを持って貰える様なビジネスモデルを構築して、会社を継続成長させなければならないと考えました。「時代が要求するモノ」「クライアントが困っている事」‥‥本質的な課題‥‥それは何か?‥‥そして私達に出来る事‥‥これがビジネスモデルを考える上での一番のテーマでした。
「モノが勝手に売れる時代」から「モノが売れない時代」へ‥‥‥モノが売れないのだから、そこには一葉にそれぞれ各社が抱えておられる課題が必ずある筈だ‥‥‥そしてその課題は「モノづくりプロセス」の中にしか発生しない筈だ‥‥‥この様な仮説のブレークダウンから「モノづくりの課題解決事業」‥‥これは、現代において潜在的な欲求があり、刺さるビジネスになる‥‥これを成し得れば、クライアントに喜んでもらえる‥‥おぼろげながら私達がしなくてはならないビジネスモデルが見え始めました。
そこで、モノづくりにおけるプロセスを全て洗い出し、そのプロセスの中で、私達に出来ないプロセスは、その分野で高いスキルセットを持った会社と業務提携をし、それを繰り返す内に、2008年に全てのプロセス‥‥パズルが埋まり、大阪府の経営革新事業としの認可を受けるに至った訳です。このビジネスモデルの背景には、創業以来、低予算の開発投資で且つ安価な金属部品、プラスチック部品を5000種類手掛けて来たと云う実績と、100均市場への導入における、低価格での完成品づくりノウハウ‥‥今まで私達が歩んで来た道程がベースにあります。従って、MONOCOTO(モノコト)は、創業事業と懸け離れたモノでは無く、実は創業事業から今日までの集大成であり、ゴールであり、最終形であると考えています。現在は、出来あがったMONOCOTO(モノコト)を更にブラシュアップさせながら、クライアントに喜んでもらえる様なサービスにして行かなければならないと考えている所です。
以上が、MONOCOTO(モノコト)サービスができた経緯、についてお話させて頂きました。
次回は、MONOCOTO(モノコト)サービスについてわかりやすい解説を掲載します。
コシオカ産業株式会社 代表取締役社長 越岡晃司
2015年8月20日(木)

日本全国に展開する外食チェーン様からのご依頼。「ご来店いただいたお客様へこれまで以上に楽しく食事していただける様オリジナルグッズを使ったサービスを展開しているので、これからも新しいものを継続的に生み出していく為の企画立案を定期的に行い、スムーズに商品化していきたい。」「子供達が当たった景品を学校に持って行っても楽しめるような文房具で景品のデザインをして欲しい。」というご要望を頂き、MONOCOTO(モノコト)として ”骨までみえるかなりリアルな魚消しゴム” をご提案させて頂きました。
●MONOCOTO(モノコト)からのご提案
弊社のmonocoto(モノコト)サービスは、ご希望のタイミングに合わせて柔軟に企画立案・プロダクトデザイン検討を進めていく事が可能です。今回は、クライアント様と一緒に新しい商品のコンセプトやターゲットなどの絞り込みを行い、ご予算に合わせた企画提案をさせて頂きました。その後、商品化へと進めていく際の設計・試作・量産・流通といったすべてのモノづくりプロセスが弊社ネットワークにより一元管理可能ですので安心して企画をご検討いただく事が出来ます。定期的なご提案とモノづくりの一元管理が低予算でご利用いただけることを非常に喜んでいただき、また実績も見て頂けたことで現在も継続的にご依頼いただいております。
もちろん、ご来店頂いたお客さまからの評判も上々で、中にはネットオークションで取引されるほどの人気が出たりもしました!(笑)
●企画・開発に携わったデザインパートナーよりヒトコト|ワイエスデザイン
魚にもっと関心を寄せるアイテムへ
無添加食材が特長の外食チェーン様だけに、食材である魚にもっと関心を寄せるようなアイテムにしたい。そんな想いから、組立・分解可能な魚の骨格標本のような消しゴムをデザインすることにしました。ゲームが始まり、当たりが出ると外食チェーンオリジナルグッズがもらえます。
形に徹底的にこだわらないと好奇心はくすぐれません。
魚に対する知的好奇心をくすぐることを狙ったアイテムだけに魚の形状にはこだわりました。カプセルに収まる小さなサイズでも魚種が特定できるように特徴を捉えたフォルムとついつい集めたくなるかわいらしさの両立がポイントです。そのために魚類図鑑や魚のレントゲン写真を集めたり、市場の水槽で、泳ぐ魚を観察しに行くなどしてマグロならマグロらしく、タイならタイらしく感じる造形のポイントを探していきました。※例えばマグロのデザインなら丸々と太ったおいしそうなボリューム感、回遊魚らしいキュッとくびれた尾びれの付け根、スピード感のあるシャープなヒレの形などデフォルメしつつもマグロらしさとは何かを意識しながら形を詰めるといった具合です。

ABS樹脂は、熱いと溶けて冷えると固まる性質の(熱可塑性)樹脂で、樹脂の中でも最も加工性が高く非常に様々な加工方法が確立され、様々な用途に使用されています。表面の光沢性も高く、透明度も比較的高い為、高級感、質感の高い物を作ることが出来ます。
ABS樹脂は樹脂の中ではかなり硬い方になります。折り曲げに対しては剛性が強いので白化はしますが、中々破断しません。但し破断する時は粘りが無いためパキッと割れてしまいます。また、電気を通しにくい(絶縁性が高い)というところもあり、用途は幅広く使われています。但し、屋外での耐性(耐候性)は弱いため、紫外線、風雨が直接当たる部分への使用は避けたほうが良いです。
ABS樹脂の耐熱温度は一般的には70度~100度となっています。ABS樹脂は3つの成分(ポリスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン)を掛けあわせて出来た樹脂で、この3つの樹脂の特性をうまく引き出している。しかし通常の配合以外にも各成分の配合を変えることで、それぞれ別の特徴を付加したり、強くしたりすることが可能です。
主なABS樹脂の種類を挙げてみます。
<ABS樹脂の種類>
1.ガラス繊維を加えて剛性を高めた強化ABS樹脂
2.スチレンの代わりにα-メチルスチレンを重合させ、耐熱性を高めたα-メチルスチレン系ABS樹脂
3.ブタジエンの代わりにアクリルゴムを重合させ、耐衝撃性を維持しつつ耐候性を高めたASA樹脂
4.ブタジエンの代わりに塩素化ポリエチレンを重合させ、難燃性と耐候性を高めたACS樹脂
5.ブタジエンの代わりにEPDMを重合させ、ABS樹脂と同等の機械的物性と耐候性を持たせたAES樹脂
主要なものだけでもこれだけ多くの種類があります。
またABS樹脂は表面特性にも優れていて、次の様な表面処理および加工が可能です。
<ABS樹脂に施工可能な表面加工>
1.接着
2.印刷
3.塗装
4.メッキ
5.切削
6.溶接
加工性が高く、表面処理も容易なので、試作モデル用の素材として最もポピュラーな樹脂です。
ABS樹脂の主な特徴
<ABS樹脂を利用する際のメリット>
1.非常に加工性が高い
2.流動性が高いので薄肉の成形性が高い
3.剛性、硬度、耐衝撃性、引っ張りのバランスが良い
4.表面特性が良く、印刷、接着、メッキ、塗装、溶着等が可能
5.表面の光沢性が高い為、高級感のある質感が得られる
6.耐熱温度が比較的高い
7.成分を変更することで様々な特徴を付けられる
<ABS樹脂を利用する際のデメリット>
1.耐候性、耐紫外線性が低い
2.耐薬品性が低い
3.調理器具には不向き(耐熱温度がそこまで高くない)
<ABS樹脂の主な活用範囲>
日用品から工業部品、電化製品、自動車部品等、加工方法も様々な方法が取れるので、使用用途、箇所は多岐にわたります。雑貨やそのパーツ、電化製品の外殻、試作モデル用素材、自動車のメッキパーツ、リコーダー(縦笛)、プラモデル等、透明部分を除いたありとあらゆる樹脂パーツへ使用が可能です。
<ABS樹脂の主な加工方法>
●射出成形(インジェクション成形)
金型と呼ばれる製品形状を作るために必要な型に、溶けた樹脂を流し込んで製品形状を作り出します。その後、金型の温度等により冷やし、樹脂を固めます。
冷えて固まった樹脂は、金型を開いて取り出します。チョコレートを熱して溶かして、型へ流し込み、冷やして固める事に似ています。
●押し出し成形
金型と呼ばれる形を作るために必要な型に、溶けた樹脂を押し当てて製品形状を作り出します。理論上無限に長い製品形状を作り出すことが出来ます。
トコロテンをトコロテン突きで押し出して大きな塊から細長い形を作る事に似ています。
●中空成形(ブロー成形)
ストロー状に溶かした樹脂を、上から下にぶら下げます。ぶら下げたストロー状の樹脂を囲む様にして製品形状を作るために必要な型で挟みます。ストロー状に溶かした樹脂を、風船を膨らませる様に内側へ空気を送り込んで膨らませます。型の中で膨らんだ樹脂は型に押し付けられて、製品形状を作り出します。
●切削加工
ABS樹脂の塊をドリルで削って形状を削り出す切削加工。ドリルはコンピューターで管理され、入力された切削加工用3Dデータを基に形状を削り出します。切削加工は塊から形状を削りだすため、材料ロスが多くまた加工にも時間が掛かるため、量産用の加工には向きません。しかし塊から削りだす加工法のため、金型が必要無く、初期投資がかかりませんので、様々なパターンの形状を1つずつ出したいといった様な試作モデルでの用途ではコスト的に有利な方法です。
削りだしたABS樹脂へは各種表面処理(塗装、接着、メッキ、印刷等)が可能です。
●熱溶融積層法(FDM)
フィラメントと呼ばれる棒線状の樹脂を熱で溶かして積層していく加工方法。3Dプリンターと呼ばれる物の代表的な加工方法です。3Dデータを横断面で細かくスライスし、一層ずつ積層していきます。切削加工と比べて材料ロスはほぼありません。また必要な部分だけを出力する為、加工時間は少なくて済みます。(積層していく加工方法の為、高さが高い物は時間が掛かります)金型が必要無く、初期投資が掛からない点は切削加工と同じです。切削加工との一番大きな違いは、ドリルが入らない様な部分も作ることが出来る事です。試作作成する際には、主に切削加工と積層法の2種類から選択します。形状的にドリルが入りづらい形状、時間が掛けられない場合は積層法を選択する事が多いです。
<製品への活用事例|ABS樹脂の場合>
ふとんバサミ(ABS樹脂製)
・材料選定理由
製品要求事項、理由として主に下記内容が選定の際に挙がりました。
① テコの原理を利用しふとんを挟めること
② デザイン上薄肉部分が多い
③ 高級感を出したい
④ フタ等の嵌合パーツが多い
⑤ 嵌合パーツを接着する必要がある
⑥ 屋外での使用を想定し耐候性を上げる必要がある
材料選定においては、ポリプロピレンとABS樹脂の選択肢が挙がりました。
下記理由により、ABS樹脂を選定しました。
①の要求事項については、片足をふとん側へ引っかけて取り付ける為、強度と横ブレへの強度が必要でした。
②の要求事項に関しては、ポリプロピレンで製造を行うと、ヒケ等の関係上、外観に及ぼす影響が大きく、歩留まりの率も考慮しました。
③に関しては、ポリプロピレンでもある程度のツヤを出し、高級感を出すことは出来るのですが、ABS樹脂の様に光沢を出すには不向きでした。
④に関してもポリプロピレンでの嵌合調整も出来るのですが、外観への影響とのバランスの取りやすさはABS樹脂のほうが上です。
⑤の要件に有る様に、パーツをはめ込むだけではなく、接着が必要な為、ABS樹脂を選定する事になりました。
⑥にあるように屋外での使用が想定されるため、耐候性を上げる必要があり、耐候剤(紫外線吸収剤)を入れ、
ABSの弱点である「耐候性、対紫外線性が低い」という点をカバーする必要がありました。
<ABS製品 製造時の注意点>
初期コストを抑える為、複数あるパーツを「共取り」と呼ばれる方法で成形する事にしました。「共取り」とは、1つの金型に複数のパーツを配置して、同時に成形する方法です。これにより金型面数が減る事と、ロットによる色ぶれを防ぎます。
しかし弊害もあります。調整を行う際に、1つのパーツの調整を行うと少なからず他のパーツへも影響が出るからです。ポリプロピレンの場合、その調整がABS樹脂と比べて難しい為、共取りをする際は注意が必要です。金型設計時にどこまで落とし込めるかが重要になってきます。また、単体パーツで調整が難航しそうな物と、調整がし易い物とを分けておく必要があります。

ポリプロピレンは、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂である。工業的に入手可能であり、熱いと溶けて冷えると固まる性質を持っている。樹脂の中でも加工性が高くて比重も軽く、比較的安価です。また、燃やしても有毒ガスを発生しないため、環境にも優しい樹脂です。しかし透明度は余り無いので、透明度が必要な物には不向きです。
ポリプロピレンは比較的硬いうえに折り曲げに対しても白化はしますが、中々破断しません。また、電気を通しにくい(絶縁性が高い)というところもあり、用途は幅広く使われています。但し、屋外での耐性(耐候性)は弱いため、紫外線、風雨が直接当たる部分への使用は避けたほうが良いです。また他の汎用樹脂と比較して、耐薬品性にも優れています。酸、アルカリ、沸騰水、鉱物油など多くの薬品に対して侵されないという優れた耐薬品性を有しています。
<ポリプロピレンの主な特徴>
●メリット
熱可塑性樹脂
加工性が高い
有毒ガスを発生しない
折り曲げ耐性が強い(粘りがある)
電気を通しにくい
耐薬品性が高い
比較的安価
耐熱温度が比較的高い
●デメリット
透明度が低い(乳白色)
耐候性、耐紫外線性が低い
接着や印刷が困難
調理器具には不向き(耐熱温度がそこまで高くない)
ポリプロピレンの耐熱温度は一般的には90度~100度となっています。ポリプロピレンの中には耐熱性能を上げたものもありますが、劇的に改善することはありません。通常使用の範囲設定は90度~100度が主流ですので、火にかけたり電子レンジに入れて調理したりという用途には向かない材質です。そんな広く使われている汎用樹脂ポリプロピレンですが、表面特性に於いては実は使い勝手が悪い部類になります。
どういった点が使い勝手が悪いとされているかですが、
1.接着することが難しい
2.印刷の載りが悪い
今ではポリプロピレンを接着できる接着剤もありますが、かなり特殊なものです。
印刷をする場合、表面に特殊な加工が必要となり、工数が増えてコスト高となります。
<主な活用範囲>
日用品から工業部品、電化製品、自動車部品等、加工方法も様々な方法が取れるので、使用用途、箇所は多岐にわたります。雑貨やそのパーツ、電化製品の外殻、内側の絶縁パーツ、薄く伸ばせば袋にもなるため、梱包資材にも利用できます。
<主な加工方法>
●射出成形(インジェクション成形)
金型と呼ばれる製品形状を作るために必要な型に、溶けた樹脂を流し込んで製品形状を作り出します。その後、金型の温度等により冷やし、樹脂を固めます。冷えて固まった樹脂は、金型を開いて取り出します。チョコレートを熱して溶かして、型へ流し込み、冷やして固める事に似ています。
●押し出し成形
金型と呼ばれる形を作るために必要な型に、溶けた樹脂を押し当てて製品形状を作り出します。理論上無限に長い製品形状を作り出すことが出来ます。トコロテンをトコロテン突きで押し出して大きな塊から細長い形を作る事に似ています。
●中空成形(ブロー成形)
ストロー状に溶かした樹脂を、上から下にぶら下げます。ぶら下げたストロー状の樹脂を囲む様にして製品形状を作るために必要な型で挟みます。ストロー状に溶かした樹脂を、風船を膨らませる様に内側へ空気を送り込んで膨らませます。型の中で膨らんだ樹脂は型に押し付けられて、製品形状を作り出します。
<製品での活用事例>
洗い桶(ポリプロピレン製)
●材料選定理由
ほぼシンク内での使用となり、場所と用途が限られていたため、その場所で想定される条件として、①耐熱温度100度以下(冷えていない油をシンクへ直接流す場合はその範囲を超えるが、通常行わない)②耐冷温度③耐薬品性能必須(酸性・アルカリ性・中性)の為、ポリプロピレンを選定した。またサイズが大きいため、原料価格を抑える必要があることと、水を張って使用するという点から、本体重量が重くなりすぎない様にする必要が有る。しかし剛性は必要であるという点も選定した理由となる。
●製造時の注意点
形状は単純ですが、ストレートのラインがデザイン的に重要なので、ストレートがしっかりと出るように、金型製作時に細かい調整をしました。また脚部が右画像の様に、部分的な厚肉成形となります。ポリプロピレンは熱することで溶けて、冷やすことで固まる熱可塑性樹脂なので、冷えて固まる時に厚みがあれば有るほどヒケと呼ばれる収縮が大きく発生するため、この部分も内側を膨らませてヒケを抑える調整をしました。
実は横の穴が無ければ、初期投資および製品単価はかなり落とせます。しかし製品仕様上必要になるため省くことは出来ません。この部分は成形を行う際の金型に「スライド」という機構を取り入れて、一度の成形で形状を作っています。強度および成形時に安定する様に、縁の部分は通常肉を厚くするのが主流ですが、今回のデザインを活かすため、厚み等で最大限強度と安定性を調整しました。

国内トップシェアを誇る大手通販会社様。既存の商品ラインナップでは今までと同じようなユーザーリーチが難しい状況になってきているという現実があり、とあるブランドカテゴリにおける住生活雑貨系商品の大幅刷新を断行しました。
また、ラインナップ刷新にあたり、バイヤー・商品企画チームにモノづくりのノウハウ・知識があまり十分でないがためにモノづくりフェーズでかなりの時間をとられることで業務が非効率となり、本来の「商品を売る」というマーケティング、プロモーション部分にパワーを割けないというところから、私どもに商品ラインナップの企画、コンセプト開発からデザイン・試作・量産まで、トータルサポートのご依頼を頂きました。
●MONOCOTO(モノコト)からのご提案内容
まず、住生活雑貨という非常に多岐にわたる商品群の見直しをするにあたり、現状の商品群の情報整理と過去販売動向、市場動向、ユーザの声などを共有させて頂きながら、リニューアルしていく開発対象の絞り込みを行いました。また、全体の開発コンセプトの策定と個別商品の方向性など、統一感のある開発指針を定め、カタログ発行のリリース予定から逆算で各商品ごとにスジュールを引き、デザイン・設計・試作・金型・量産に関わる各プロフェッショナルとチームを組み、スムーズなプロジェクト運営を実現しました。
デザインのコンセプト立案からデザイン開発まで高いクオリティーで対応頂いており、リリースを目前に控え、現在細部の最終調整中となります。
本製品のリリース後の反応が今から楽しみでなりません。